タイの麺料理-その4-

「ミー・パッド・クラチェ」

この「ミー・パッド・クラチェ」は、いろいろなところを歩き回ってもなかなか見つけにくいですが、中国の影響を受けたこの料理は、探し求めるだけの価値はあります。
どんなものかと言えば、丸形の細いライス麺で、センミイ、ファッククチェの名前で知られていて、サクサク感があって少し辛いこの水辺に生える野菜は英語圏では「ミズミモザ」と呼ばれています。
この料理は、まずエビ、薄く輪切りにしたイカのリング、あとその他のタンパク源を加えて強火で炒り上げ、それに魚醤、さらに粗挽きのガーリックとチリペパーのスパイシーなペーストが加えられます。できあがったものは、スパイシーで塩味の効いた香ばしさを醸しだします。
これに、液体調味料の「ナムプラー」、魚醤漬けのスライスしたチリペパー、ときにはライムかスライスしたシャロットが添えられます。

「パッド・ミー・コラート」

「パッタイ(炒めそば)」の先駆けと言えば、「パッド・ミー・コラート」ですが、タイ東北部のナコーンラーチャシーマー市で「コラート」とも呼ばれる有名な料理です。
「コラート」は、乾麺の平たいライス麺で(名前のとおり、コラートが発祥の地ですが)、少し脂身のあるスライスした豚肉とときには卵といっしょに炒り上げて、パーム糖、タマリンドの果肉、魚醤それに少しばかりのチリペパーで味付けします。それにモヤシとガーリックが付け加えられます。
「パッド・ミー・コラート」には、通常スタンダードな香辛料として、スライスしたライムと好みで選んだニラのような渋みのある副菜が添えられます。

「パッド・ミー・スア/パッド・ミー・ホンコン」

中国の広東地方を発祥とするこの料理は、バンコックのチャイナタウンの定番となっています。チャイナタウンでは、「パッド・ミー・スア」が、燕の巣やフカヒレスープを売っている屋台やレストランで同じようにして売られています。
この、小麦を練ってつくった薄くて丸形の乾麺を、干し椎茸、マッシュルーム、細かく刻んだキャベツ、エビ、鶏の胸肉、ネギとともに中華鍋で炒り上げます。中華鍋でさらに香ばしさと塩味を濃くした特製バージョンもありますが、他の多くのタイ料理と比べて見ると、辛うじて名が通っている部類に入ります。香辛料に一工夫すると良いかも知れません。