ベトナム


ベトナム

ベトナムの正式名称はベトナム社会主義共和国です。首都はベトナム北部に位置するハノイ市となっています。


政治

ベトナムの政体は社会主義共和制をとっており、ベトナム共産党による一党独裁制です。ベトナム共産党の最高職である中央委員会書記長をはじめ、国家主席・首相・国会議事長の四人を中心とした集団指導体制をとっています。1945年の建国以降、集団指導体制による国家運営を行っており、初代のホー・チ・ミン氏から専制的な権力を有した指導者はいません。ちなみに現在、ベトナム共産党以外の政党の結成は全てにおいて禁止されています。


国土

ベトナムは東南アジアのインドシナ半島東部に位置しており、国土は南北に細長い形をしています。
ベトナム東部には南シナ海が広がり、海洋上の国境でフィリピンと相対しています。陸の国境で接している国は、中華人民共和国・ラオス・カンボジアとなっています。


気候

ベトナム全土は北回帰線よりも南に位置し赤道近くまで伸びていることから、南西モンスーンの影響を強く受ける気候をしています。そのため、7月から11月までに発生する台風の影響を受けます(特にベトナム中部が被害を受けやすい)。
ベトナム北部は温帯性気候に属しており、4月下旬から10月下旬までが雨季となっています。
ベトナム南部は熱帯性気候に属しており、5月上旬から11月上旬までが雨季となっています。
このように北部と南部で属する気候帯が違うことから、11月〜5月にかけてベトナム全土にかけて旅行を考えられる場合は、温度差に対応できるような服装を心がけるようにおすすめします。


農業

ベトナムは稲作が盛んに行われており、北部では二期作、南部では三期作が行われています。
5月から11月にかけてインド洋からくるモンスーンの影響で大量の雨が降ります。その影響で山の土が崩れ、川に流れ込みます。そういった土砂はやがて、河口付近に中洲を形成し、それが大きなデルタ地帯となります。このデルタ地帯は比較的平地なので稲作に適した穀倉地帯となっています。ベトナムにおいては北部の紅河デルタや南部のメコンデルタが有名で、ベトナムで重要な穀倉地帯となっています。
ベトナムのコーヒー生産量はブラジルに次いで世界2位となっています。インスタントコーヒーや清涼飲料、製菓などの用途に使われる比較的安価なロブスタ種の生産が主ですが、近年はアラビカ種の生産も伸びてきています。
ベトナムのコショウの生産量は世界1位となっているほどベトナム南部ではコショウの生産が盛んです。
まだ生産量こそ、世界の1%程度しかありませんが、ベトナムのカカオの品質は優れていることから、世界的なチョコレート企業がベトナムに進出してきており、今後近い将来生産量が増えていくことが予想されています。


宗教

ベトナム国民の70%以上が仏教徒です。しかし、キリスト教やイスラム教、カオダイ教などを信仰されている方がいます。


民族

ベトナムの人口は約9,000万人で多民族国家です。ベトナムの民族は53民族いるとされておりますが、国民のほとんどがキン族で都市部にて生活しています。その他の民族(少数民族)のほとんどが高原や山岳地帯で暮らしています。