「カオピャックセン」
この言葉は文字どおり「湿った稲束」と訳されますが、そのスープはその名前が意味するよりももっと遙かに食欲をそそります。太めの丸形のヌードルは米とタピオカ粉のミックスしたものから作られていて、ヌードルにかみ応えのあるもちもちの質感を与えましたが、そのためスープに若干の粘り気を加えることになり、通常はスープが少し残されてしまいます。肉のトッピングにはいろいろなバリエーションがあり、刻み込んだ鶏肉から揚げた豚肉、血餅までさまざまで、ボウルには匙一杯のフライド・ガーリックがトッピングされます。
このヌードルはいろいろな麺幅で加工されていて、屋台の棚に白粉を振りかけて置かれているので、屋台のどの業者がこのヌードルを取り扱っているかすぐ分かります。
「カオプン」
「カオピャックセン」と一緒に売られることがしばしばありますが、「カオプン」は「バーミセリ」や「 カノムジーン」と同じように細めのフレッシュなライス・ヌードルで作られています。ヌードルは、ハーブ、フィッシュボール、そしてどこの部位か分からない豚の内臓を使った澄んだスープで味付けされます。トッピングには、大まかに言って、細かく刻んだ豚赤身薄切肉、ソーサージのスライス、臓物が使われます。
この料理には、生の野菜とハーブが別々の大皿に盛られ、スープ自体は追加されることなく、ヌードルを啜っている合間につまみを食べます。
「カオプンナムフィック」
この料理は、「カオプン」の別のバリエーションで、濃い味のスパイシーなココナツミルクを混ぜ合わせたスープとミンチした豚肉で作られています。
ココナツミルクはラオス料理ではあまり大きな役割を果たしませんが、このラクサ・スタイルの料理ではココナツミルクが根付いているように思われます。(とは言え、「カオプン」、「カオピャックセン」から比べれば、ココナツミルクの果たす役割を見いだすのは少し難しいかも知れません)
細かく刻んだバナナの花、、ロングビーン、キャベツ、そしてハーブを盛り付けた大きな皿を持ち歩いている業者を探して下さい。それらの全てがこの料理に添えられるのです。
「フォー」
「ファ」とも発音されるこの料理は非常に人気のある料理で、多分驚くほどのこともないですが、かの有名なベトナム・スープによく似ています。しかし、スープに香り付けするのに使われるスパイスとハーブはベトナムのものと異なります。その他の一般的に使われる素材として、魚肉ボール、豚肉のボール、ベトナムソーセージ、スライスした豚肉がありますが、このケースの場合、パリパリ感のある膨らませた米のケーキ(スープに細かく砕いて入れるように教えてもらいました)が加わります。
「カオプン」のように、この料理には、料理と一緒に食べる生の野菜とハーブが別々の大皿に盛られて提供されます。この料理を扱う業者の中には生野菜にかける自家製のピーナツ・ソースを小さなお椀に入れて配ってくれる人もいます。
「カオソイ」
タイ北部の、同じ名前のカレースープと間違わないで下さい。ラオスの「カオソイ」(一般的に「フォー」と一緒に売られています)は、ボローニャのスープとよく似ています。平たいライス・ヌードルは、栄養価の高いソース(ミンチした豚肉、トマト、ピーナツ、チリペパーで調味されたもの)でトッピングされたのち、「フォー」のスープをかけて味をまろやかにして、新鮮な生野菜の数々を添えて提供されます。
似かよった料理方法でないのになぜタイ料理と同じ名前のスープになったかについては、私には謎として残っています。